「金利が上がる=景気がいい」とは限らない?金利と景気の関係をわかりやすく解説!

今日、アメリカの金利の上昇が止まるのでは?というニュースがありました。

アメリカの金利は世界経済にものすごく大きな影響を与えるものですから、日本にとってもすごく重要なニュースです。

さて、そもそもこの「金利」ってどういうものなのか?金利が上昇、下落するとはどういうことなのか?について説明できない人って結構いるんじゃないでしょうか。

「金利」という考え方は、経済や投資を理解する上でとても重要な考え方なので、そこらへんをわかりやすく書きたいと思います

金利はお金の「我慢料」と「レンタル料」

金利はズバリ、お金の「我慢料」と「レンタル料」です。

我慢料とは、

お金を使わない代わりにもらうことのできる料金、です。

景気がよくて物価が上昇しているとき、金利が上がるのはご存知でしょう。

例えば「今めっちゃ欲しい!」ってものが1年後に値段が上がってるかもしれない、って時に、

今買うか?1年我慢するか?という選択をするとします。そうした時に、

物価が上がっている時ほど我慢料が高くないとおかしいですよね。

これが

好景気=金利が上がる、ということです。

逆に言ったら物価が上がりそうってことはみんながすぐにお金を使うってことで、

好景気=お金が使われる

ってことにもなります。

レンタル料というのは、言ってしまえば銀行からお金を借りる時に払うお金のことです。

これは単純に需要と供給で決まります。お金を借りたい人が多ければ金利は高くなりますし、お金を借りたい人が少なければ金利は下がります。

さっきも言いましたが、景気がいいときは「みんながお金を使う」ので、たくさんモノが売れます。

そうすると、人をたくさん雇ったり設備を増やした方が、ものをたくさん作ることが出来て合理的です。

こういう理由で「今お金が必要」という人が増えて、お金の需要が増えます。

これが好景気によるお金の「レンタル料」の上昇です。

あくまで

好景気→モノが売れる→お金の需要が上がる→金利が上がる

というサイクルです。

「金利上昇=景気がいい」とは限らない

今まで散々「好景気だと金利が上がる!」と書いてきましたが、実はそうではない場合があります。

代表的な例が「国債」です。国の借金です。

ここ半年くらいのアメリカのびっくりするような金利上昇について「悪い金利上昇じゃね?」とぼくは思っています。

どういうことか説明します。

まず、国債には市場の「需要が決める」売り値と、「固定」の利子があります。

50万円が売り値で利子が2万円の国債があるとします。金利は4%です。

もしこの国債が買われず売り値が40万円に下がったとします。利子は固定ですから2万円です。そうすると金利は5%です。

つまり、「国債は買われない時に金利が上がる」という性質があります。

国債が買われないっていうのはどういうことか?大きく分けて2つあります。

①いいケース

例えば、ここ最近のアメリカ株のように、産業が大きく発展して株価がものすごい上昇をしているとき、国債に入るお金は株に流れます。

株が上がるなら国債なんて買わずに株で儲けよう、という人が増えるからです。

さっきも言ったように、国債は買われなくなれば金利が上がります。株や他の金融資産が好調なとき、金利は上がります。

これが1つ目の「良い金利上昇」です。

②悪いケース

国債は「国の借金」です。国債が買われるかどうか?は、イコールその国がお金を本当に返してくれるかどうか?です。つまりその国への信用が高ければ高いほど買われます。

逆に言ったら国の経済が不安になると、国債は買われず、国の信用がないのに金利が上がる、というおかしなことが起こります。

これが「悪い金利上昇」です。

ここ最近のアメリカの金利上昇について、大体の記事では「アメリカ経済堅調!金利も上昇!」と書かれていて、おおよそアメリカ株絶好調!のようなことが書かれています。

けど、実際はよく考えなければいけません。②のケースがあるからです。

アメリカは増税による財政悪化や、原油価格上昇、トランプの破天荒政治など、はっきり言って悪い金利上昇のケースはいくらでもあります。

金利の上昇と下落の仕組みはとても複雑で、安易に経済が良いから金利が上がる、と考えてドルを買いまくっていると割と大変な目に合うと思います。。。

経済に少しでも興味がある人は、池上彰さんの「池上彰のお金の学校」がものすごくおすすめです。

【結論】
「金利が上がってるから景気がいい」は安易

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