「本読むから学力が上がる」と人から聞いたら「学力あるから本を読む」を疑うべきだという話

今日は情報社会の現代においてすごく重要な考え方についてです。

先日こちらの本を読みました。

「教育」というものは、本当に人それぞれの考え方があります。特に日本では、「自分の子供で実験しよう」なんて人はいませんから、これが正解というものがない、というのが現実です。

こちらの本はアメリカなどのデータを用いることによって、今までの教育の常識について考え直す、という内容です。

個人的には内容もすごくおもしろかったのですが、現代においてすごく大事な考え方をこの本を読むことで再確認することができました。

それは相関関係因果関係についてです。情報あふれまくりの現代において、この考え方はマジで義務教育レベルだと思います。

因果関係と相関関係とは何か?なぜ重要なのか?ということについて書きます。

因果関係と相関関係とは何か

「本を読むと学力が上がる」と聞いて、どう思いますか?なんか聞いたことある人も多いと思うんですけど、実はこれに関して正確な根拠って出ていないらしいんです。どういうことか説明します。

まず初めに因果関係と相関関係の違いについて、説明したいと思います。

⓵因果関係
因果関係とは、AならばBという関係です。例えばアルコールを摂取すると、酔っぱらうとかです。要は「明らかにAが原因でBが生じている」ということです。

⓶相関関係
一方で相関関係とは、AとBが「どっちが要因なのかは不明だけど、明らかに関係がある」という現象です。Aが増えたらBも増えるというような関係ではあるけど、どちらが根っこの原因なのかはわからない、ということです。

話を「本と学力」に戻します。

「本を読むと学力が上がる」という常識は因果関係です。多くの人は「本を読むから学力が上がる」と思っています。

でもこれは人伝いで伝わった常識であって、因果関係である明確なデータが実はないらしいのです。

考えてみたらこれって当たり前な話で、「本と学力」が因果関係であるという根拠を示すには、はっきり言ったら、遺伝子レベルで同じ人間を作って「本を読む方」と「本を読まない方」で学力を比較する必要があるんですよね。学力には、読書以外にも遺伝子や家庭環境なども関係してきますから。

読書が理由である根拠を示すには、読書以外の条件をそろえる必要があります

しかし一方で「相関関係」である根拠は出ています。頭いい人は多方面に興味があって、周囲より本をたくさん読む可能性があるわけです。

何が言いたいかっていうと、「本を読むから学力が高い」のか、「学力が高いから本を読むのか」がわからないってことです。どっちが理由なのかはわからないけど、「本を読むこと」と「学力が高い」ことは明らかに何らかの関係があるってことなんですね。

「年収高い人は移動にタクシーを使う」なんてのもこれですよね。多くの人は「お金を持ってるからタクシーを使う」と思ってますが、実はこれ因果関係ではありません。「タクシー使うから年収が高い」可能性もあるってことなんです。

移動にタクシーを使えば、移動中に仕事ができますからね。その分自分で運転してる人よりお金を稼ぐことができます。

「本と学力」も「年収とタクシー」も、因果関係である可能性も勿論あります。

大事なことは相関関係」に過ぎないことを自分の中で勝手に「因果関係」として解釈しないことです。

「本を読ませれば学力が高くなる」と思い込んで、子供に本を無理やり読ませても、無駄になる可能性があるんですね。

情報があふれている現代において、相関関係と因果関係の考え方はすごく重要だと思いました。

この他にも、教育に関する常識を考え直したい方は「学力の経済学」読んでみてください。

因果関係と相関関係に興味がある方はこちらもおすすめです

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA